忘年会の思い出

むかしむかし、とある会社の忘年会のこと

忘年会といえば、昔はお座敷で『宴会』をするのが当たり前でした。
手拍子をもらって歌ったり踊ったりの『一芸』を披露するのがしきたりでした。

当時『宴会本部長付き宴会課長』だった私は、
持ち芸のない若手に演技指導したり、歌に振り付けをしたりの
多忙な日々を送っておりました。

さて、忘年会当日。
その年は売上げが良かったのか、いつになく道後の
大きなホテルでの宴会と相成りました。
宴もたけなわ、終盤へ向けていっそうの盛り上がりを見せる頃、
無芸だったO君は私の差配で『怪傑ハリマオ』の馬の役を、
酩酊状態で懸命に努めておりました。

ハリマオの歌が終わりハリマオが馬を降りても

O君は立ちあがる事ができません。

それどころか四つんばいのまま、顔が見る見る青ざめていきます。

私の酔った心に
「ヤバイ!」という気持ちと、O君が一芸をものにする
「チャンス!!」という気持ちが湧き上がり、次の瞬間
私の口からは、
巨神兵、焼き払えっ!!」
クシャナ殿下ばりの号令がっ!




・・・あわれ、O君は伝説の『巨神兵』となったのでありました。