北の国から

あさゆりさんの日記を見て遠く北国の暮らしを思う。
北海道には行った事ないけれど、寒い季節になると
むかし府中の中河原でビルの工事の仕事をしていたときに
札幌から応援に来てくれた10歳ほど年上のSさんのことを思いだす。



北の国から来た男
スポーツ新聞を中ほどから開く。
スポーツ新聞の最初の方は野球などのメジャーなスポーツで次に競馬や競輪等、
裏面は芸能やお色気情報。
そしてちょうど中ほどにアイスホッケーやスキーの記事が載っていた。
Sさんはいつも新聞を手に取るとガサッと中ほどを開き読み始めたものだった。


北の国から来た男
リンクの上では別人。
多摩テックというところにスケートに行った。
当然のことながらスケートの滑りは半端じゃない。
人の流れが止まっているように見えるほどのスピードで滑る、回る、止まる。
スケートやスキーは当たり前すぎてスポーツという感覚はないらしい。
でも水泳は生まれてこのかた数えるほどしかしたことなく、
カナヅチだと教えてくれた。


北の国から来た男
歌が抜群にうまい。
スナックでカラオケを歌うと他の客からリクエストが来る。
おねえちゃんはデュエットしたがる。
ギターがあると弾き語りをする。
腕も抜群。
冬の間はずっと家の中だから歌うぐらいしかないっしょ、と笑って言った。

プロを目指してポプコンの北海道予選に出たけど、
同世代に歌も曲も抜群にうまい女の子がいて、
努力だけでは埋められそうもない何かを見せつけられた、と話してくれた。
その女の子は全国大会でも入選し、
「アザミ嬢のララバイ」という曲でデビューしたらしい。


北の国から来た男
Sさんのことは毎年雪の便りとともに思い出して
また記憶の片隅にしまわれてゆくのです。