あれは小学生の3・4年の夏だったろうか、
「食用ガエル*1を捕まえて売りに行くぞ」
という近所の中学生の号令で、
僕たちはため池やれんこん畑へ繰り出してバケツ2杯分の食用蛙を捕った。
「カエルこうてー*2」っと意気揚々と
まずは駅前の旅館に持ち込むが笑って断られる。
しかし中学生の「テレビで高級食材じゃ言いよった」という言葉に胸躍らせて、
料理屋、肉屋、中華料理屋、仕出屋・・・次々と飛び込みの営業をする。
重いバケツを交代で下げて、時々飛び出す奴らを拾い拾い、
10人ほどの小中学生の隊列は『カエルの歌』を輪唱しながら
商店街を行商したのでした。
当然一匹も売れず僕たちの一攫千金の夢は潰えたのでした。